【象印マホービン株式会社様】基幹系システムとクラウド型ワークフローシステム「Gluegent Flow」の 連携を担う自動起票ツールを開発。申請・承認業務の効率化を達成。
- #Gluegent Flow
象印マホービン株式会社 様
所在地
大阪市北区天満一丁目20番5号
従業員規模
1001~2000人
会社概要
食と暮らしのソリューションブランドを目指す
1918 年、ガラス製魔法瓶の製造か ら事業を開始した象印マホービン は、「暮らしをつくる」を企業理念 に掲げ、快適で便利な暮らしの品々 を消費者に提供することを使命に企 業活動を推進。現在では「調理家電」 「リビング」 「生活家電」製品を柱にビ ジネスを展開するだけなく、「象印 食堂」など新分野への参入にも積極 的に挑んでいる。
導入サービス
#個別開発 #Gluegent Flow
全体概要
ステンレス魔法瓶や炊飯ジャーをはじめとする調理器具や家電製品の製造販売で、多くの生活者にその名を知られる象印マホービン 株式会社(以下、象印マホービン)。同社は、基幹システムとサイオステクノロジー株式会社が提供するクラウド型ワークフローシステム 「Gluegent Flow」間のデータ連携の自動化を、フライトシステムコンサルティングとサイオステクノロジーとのパートナーシップにより実現。営業担当者の申請・承認業務の効率化を実現した。
・コミュニケーションツールの移行に伴いワークフローシステムを導入したい
・基幹系システムとデータを自動連携させ、申請・承認業務を効率化したい
・運用開始後、システムの安定稼働を維持する適切な保守サポート体制が必要
・クラウド型ワークフローシステム「Gluegent Flow」を導入
・フライトシステムコンサルティングの支援により基幹系システムとの自動起票を実現
・明確な役割分担による、迅速かつ適切なサポート体制を獲得
クラウド型ワークフローシステム「Gluegent Flow」を導入し、社内の申請・承認業務の効率化を一気に加速
『きょうを、だいじに。』をコーポレートスローガンに掲げ、食と暮 らしのソリューションブランドを目指す象印マホービン株式会社。 炊飯ジャー・電気ポットなどの多種多様な 「調理家電」製品、ガラス・ ステンレスマホービンを中心とした 「リビング」製品に加え、空気清浄機や加湿器などの 「生活家電」製品を三本柱にビジネスを展開している。
20年前から始まった、電気ポットに無線通信機を内蔵することで、離れて暮らす家族の生活をさりげなく見守ることができる安否確認サービス「みまもりほっとライン」や、 近年では、高級炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊き上げたごはんと、「和」 をテーマにした家庭料理を提供する「象印食堂」など、製品販売以外にも事業も拡大。 さらに 2020 年 11 月から直販 EC サイト「象印ダイレクト」の運営を開始するなど、デジタルを 活用した顧客接点強化にも取り組んでいる。
同社では、IT による社内業務改革も継続的に行ってきた。その一つが、サイオステクノロジーが提供 するクラウド型ワークフローシステム「Gluegent Flow」を活用した業務効率化である。経営企画部 システムグループ長の松浦潤氏は、「Gluegent Flow を導入したきっかけは、それまで複数のシステ ムで運用されていた社内コミュニケーションツールの統合にありました」と説明する。
「そのために 2018 年、G Suite (現 Google Workspace )の導入を決定しました。さらにシングルサインオンのための基盤として『Gluegent Gate』も採用したのですが、G Suite だけでは不足していたワー クフロー機能を追加するため、Gluegent Flow の導入も決定したのです」(松浦氏)
導入以後、Gluegent Flow は象印マホービン社内の様々な部門で活用されている。Google Workspace との連携による社内通達や、営業部門の各種申請事項、法務部門におけるリーガルチェック、さらには人事部門における社員の保有スキルや異動希望の収集など、Gluegent Flow を用いて業務フローを 整理・効率化した業務は枚挙に暇がないという。
中でも Gluegent Flow の利用が加速するとともに、その効果を発揮したのが、コロナ禍におけるテレワークの普及だった。松浦氏は、「以前から紙を用いた申請業務を効率化したいと考えていたのですが、 コロナ禍によるテレワークの推進に伴い Gluegent Flow を用いたワークフローの利用シーンも拡大。 様々な申請業務がペーパーレス化され、テレワーク下でも業務を円滑に進めることができています」 と説明する。このほか、Gluegent Flow はモバイルアプリが標準提供されているため、スマートフォン等を用いて社外のどこからでも承認業務が可能になったことも、大きな導入効果だという。
ワークフロー作成の容易性もポイントだ。経営企画部 システムグループ マネージャーの高田篤史 氏は、「Gluegent Flow はプログラム開発のスキルやノウハウがない人でも、ワークフローを簡単に 作ることができます。取り扱いが簡単なことも、社内利用が拡大した一因になっていると考えていま す」と話す。
基幹系システムと Gluegent Flow の連携を担う自動起票ツールをフライトシステムコンサルティングが新規開発
さらに 2022 年からは、基幹系システムと Gluegent Flow との データ連携も行われている。基幹系システムと、Gluegent Flow の 連携が必要な業務は主に 2 つだ。1 つは、取引先ごとの商談情報等 について営業担当者が部門長等に申請、承認をもらうためのワークフロー、 もう一つは取引先ごとの単価契約情報で、こちらも営業担当者が部門長等に申請、 承認された結果、決定される。これらの情報は、承認後に基幹系システムのマスターに登録、反映される。経営企画部 システムグループ マネージャーの楠瀬弘文氏は、「営業担当者による申請から上長による承認、その後の基幹システムへの登録 という一連の業務の流れがあります。Gluegent Flow で、このよう な承認の仕組みを実現したいと考えたのです」と説明する。
その様な中、開発が進められていた Gluegent Flow の API がクローズドベータとして提供される事となり、象印マホービンは、Gluegent Flow API の初めての利用企業と して、後述する自動起票ツールを開発していくことになったのだ。 そして、基幹系システムと Gluegent Flow の API 連携を取り持つ自動起 票ツールを開発したのが、サイオステクノロジーのパートナー企業である、 フライトシステムコンサルティングである。
サイオステクノロジー 執行役員 Gluegent サービスライン サービスラ インヘッドの有馬大介氏は、「フライトシステムコンサルティングは Gluegent シリーズに対するシステムインテグレーションを強みとする パートナー企業です。技術力に長けていることはもちろん、お客様との 関係づくりにおいても定評があったことから、今回の基幹系システムとのデータ連携プロジェクトへの参加を依頼しました」と説明する。
サイオステクノロジーとフライトシステムコンサルティングのパートナーシップにより、スムーズな 自動起票ツールの開発とAPI 連携を実現
象印マホービン、サイオステクノロジー、そしてフライトシステムコンサルティングの 3 社によるデー タ連携プロジェクトは 2022 年 5 月からスタート。同年 11 月には開発は完了し、本番運用が開始された。
フライトシステムコンサルティングのもと、開発された自動起票ツールの概要について見ていこう。 基幹系システムから連携された XML ファイル及び添付ファイルを基に、自動起票ツールが Gluegent Flow の API を利用して、申請タスクが作成される。それらの申請タスクに対して上長から承認され ると、その結果を基幹システムに自動的に取り込む。
自動起票ツールのカットオーバー後、フライトシステムコンサルティングが開発した自動起票ツール はスムーズに運用ができている。 当社のコンサルティング&ソリューション事業部 クラウドインテグレー ション部 部長の大野健太郎は、「今回のプロジェクトで留意したポイントの1つは、仕様の策定でし た。基幹系システムから Gluegent Flow に対して、どれくらいまでのサイズの添付ファイルが出力で きるのか等、技術詳細をサイオステクノロジーに確認しながら、お客様の要件に合わせたシステム開 発に注力しました」と説明する。 「また、象印マホービンが描く最終ゴールに向けて意思疎通が正しく図れるよう、早い段階から仕様のすり合わせを行ったほか、プロジェクト期間中も定例ミーティングを開催。象印マホービン様、サイオステクノロジーと密にコミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めていきました」(大野)
サイオステクノロジーとフライトシステムコンサルティングのパート ナーシップについて、楠瀬氏は、「プロジェクトの立ち上がり当初から 課題の洗い出しと、タスクの担当範囲を明確にしてもらえたことで、 プロジェクトをスムーズに回すことができました。また、課題管理表 を作成してもらい、1 つ 1 つタスクを確認しながら開発業務を進める など、とても分かりやすく、不安を感じさせないプロジェクト管理を 行ってもらったことも評価ポイントです」と語る。また、高田氏も 「データ連携を行う自動起票ツールの開発にあたって、まったく不安 を感じることなく両者にお任せすることができたので、私達は基幹系 システム側の仕様の策定や開発に専念することができました」と付け 加える。
両社のサポート体制についても、高田氏は次のように評価する。「複数のベンダーが参加したプロジェ クトの場合、運用開始後の保守サポートに関して責任分担がはっきりせず、どちらに問い合わせをすればよいのか分からなかったり、迅速に対応してもらえなかったりするケースが少なくありません。 対して、サイオステクノロジーとフライトシステムコンサルティングは両社の役割分担が明確になっ ており、問い合わせにもスムーズに対応してもらっています」(高田氏)
6 時間かかっていた変更設定が 30 分にまで短縮、他システムとのデータ連携拡大による DX 化推進にも期待開発と API 連携を実現
基幹系システムと Gluegent Flow のデータ連携は、様々な効果を生んでいる。楠瀬氏は、「従来のシ ステムではスマートフォンでの利用はできなかったが、自動起票ツールの開発、Gluegent Flow への 移行により、スマートフォンを活用した外出先、出張先からの申請・承認が可能になり、業務の効率 化、申請・承認時間の短縮化が図れています」と評価する。また、休日など基幹系システムが稼働し てない時でも、Gluegent Flow 側に承認されたデータがプールされるため、基幹系システムの稼働時 にはデータがすぐに取り込まれるようになり、マスターと Gluegent Flow 間のデータの連携漏れも解消されているという。
一連のデータ連携の実現は、システムグループにも多くのメリットをもたらしている。その一つが、 コスト削減だ。楠瀬氏は、「データの自動連携により Gluegent Flow にすべてを統合できたので、これまで基幹系システムとの連携にのみ利用していたシステムを撤廃し、 その分のコストを削減できています」と効果を説明する。
また、ワークフローの設定変更などのシステム改修作業において、従来のシステムでは 1 件あたり 6 時間程度かかっていたのが、 Gluegent Flow へのデータ連携により、30 分程度にまで短縮化された。 その他にも今回の開発により、ワークフローの拡張性も獲得できた。高田氏は、「今回開発してもらっ た自動起票ツールは、基幹系システムだけでなく、他システムと Gluegent Flow 連携を容易に行える ような拡張性を有しています。これにより、今後のワークフローシステム Gluegent Flow 連携に対す る追加ニーズにも、短時間で対応できるようになっています」と話す。
サイオステクノロジーとフライトシステムコンサルティングのパートナーシップによる支援のもと、 ワークフローシステム Gluegent Flow を活用した業務の効率化と生産性向上を促進した象印マホービ ン。今後の展望について楠瀬氏は、「引き続き、ペーパーレス化など社内業務の効率化やコスト削減に努めていきたいと考えています。そして、 サイオステクノロジーには Gluegent シリーズの機能強化によるさらなる運用改善が可能なサービスの提供を、フライトシステムコンサルティングにはシス テムインテグレーターとしての立場からの技術支援を期待しています」と語る。
また、高田氏も「現在、象印マホービンではデジタルトランスフォーメーション(DX)の旗印のもと、 業務効率化や生産性向上のための積極的な IT 活用を進めています。今後基幹系や他システムとのさ らなるデータ連携が進めば、DX 化にも貢献できると考えています。そうした活用シーンの拡大に向け、 引き続きサイオステクノロジーとフライトシステムコンサルティングには、これまでと変わらぬ手厚いサポートをお願いしたいと考えています」(高田氏)