Google Workspace Enterprise Plus の全機能・料金を徹底解説|Gemini 活用も紹介
- #Google Workspace(旧G Suite)
大企業の IT 部門にとってグループウェア選びはセキュリティや効率性に直結します。
この記事では、Google Workspace Enterprise Plus の機能・料金を解説し、他エディションとの違いを詳しく比較します。さらに、Gemini 活用による最新の業務効率化についても紹介します。
Google Wortkspace 導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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1. Google Workspace Enterprise Plus とは?

Google Workspace Enterprise Plus は大規模企業や官公庁のように高度なセキュリティ・スケーラビリティを求める組織のために設計された最上位エディションです。クラウド時代に必須の「安全」「効率」「拡張性」を兼ね備え、IT 部門が抱える課題を包括的に解決します。
大規模組織向けに設計された上位エディション
◆数千人規模の従業員を抱える企業に対応できるよう、アクセス制御や監査機能の強化を実現
ビジネスニーズに応じたエディションの選び方
◆企業規模や求める要件に応じて Business、Enterprise Standard、Enterprise Plus と複数の選択肢がある
◆求めるセキュリティや機能レベルに応じて導入可能
Business:
中小規模向け
基本的な共同編集・ストレージ共有・標準的なセキュリティ機能を提供
Enterprise Standard:
監査ログ、Vault、DLPなどより高度な管理者制御や監査を備え、コンプライアンス対策を重視する企業向け
Enterprise Plus:
ゼロトラスト対応、S/MIME 暗号化、セキュリティセンター連携、Gemini の全機能活用など、最も包括的な機能セットを提供
メール・ドライブを含む統合型プラットフォーム
◆Gmail、Google ドライブ、Google Meet、Google カレンダーなどが連携
◆シングルサインオンや高度な認証により、全社規模での効率的な運用が可能
Enterprise Plus は「全機能をフル活用し、セキュリティも妥協しない」企業にとって最適なプランです。
2. Enterprise Plus の主な機能と強み

Enterprise Plus の魅力は標準機能を超えたセキュリティと管理能力にあります。IT 部門が直面する「情報漏洩防止」「端末管理」「アクセス統制」を中心に、オンライン業務を安全に運用できる機能を備えています。
高度なセキュリティ機能で情報漏洩を防止
◆データ損失防止( DLP )でメールやファイルの不正送信をブロック
◆Google Vault による電子情報開示( eDiscovery )でコンプライアンスを強化
◆S/MIME 暗号化でメールの安全性を保証
◆セキュリティセンター機能( Enterpruse エディションで利用可能な管理コンソール上のセキュリティ情報の統合ダッシュボード)で脅威を可視化
エンドポイント管理による端末制御と可視化
◆BYOD(私物端末)の利用も含め、PC やスマートフォンを一元管理
◆遠隔ワイプ機能により、紛失端末から情報漏洩を防止
◆不審な挙動をログで監査し、脅威を迅速に検知
大容量ストレージと高機能な Google Meet
◆1ユーザーあたり 5 TB 以上のクラウドストレージ(プールストレージ)
◆500人規模の会議を安定開催
◆ノイズキャンセリング、自動字幕生成、多言語対応翻訳
[補足:プールストレージとは?]
Google Workspace Enterprise Plus ではユーザーごとに固定の容量を持つのではなく、組織全体のユーザー数に応じてストレージが「プール」され、全社で共有して利用できます。例えば 1,000 ユーザー契約で「ユーザーあたり 5 TB」が付与される場合、全体で 5,000 TB をまとめて使える計算になります。
これらの機能によりグローバル規模の企業でも安心して活用できる基盤が整います。多拠点環境での可視化・制御・監査を一元化できる点が特に強みで、海外拠点を含む全社レベルでの統制・リスクマネジメントを実現します。
3. Google Workspace Enterprise Plus の料金体系を詳しく解説

導入を検討する際に避けて通れないのが「費用対効果」です。Enterprise Plus は他プランよりも料金は高めですが、その分長期的な運用効率化につながります。
Google Workspace Enterprise Plus 料金の基本構成
課金体系
・ユーザー単位の月額課金制
・必要ユーザー数に応じて総額が変動
・契約条件によって割引適用あり(年間契約も選択可、長期利用を前提とする企業ではコスト削減につながる)
料金の目安
下記は月額料金の目安です。
・Enterprise Standard :3,060円 / ID
・Enterprise Plus :3,980円 / ID
※上記の価格は2025年9月時点での参考金額となります
※詳細や最新情報は Google 社やリセラーにお問い合わせください
価格はどう決まる?ユーザー数・契約年数による違い
◆ユーザー数が多いほどボリュームディスカウントを適用
◆年間契約を選ぶことで月額換算よりコストを抑えられる
他プランとの価格差を踏まえたコスト最適化の考え方
◆Business Plus より高価格だが、その分セキュリティ・容量・Gemini 機能が拡充
◆外部セキュリティ製品や AI サービスを削減できるため、総合的にはコストパフォーマンスが高い
単なる「コスト」ではなく「リスク回避と効率化への投資」と捉えることができます。
4. Enterprise Standard と Enterprise Plus の比較

Standard と Plus を比較することで、IT 部門が自社に必要なエディションを見極めやすくなります。
機能・セキュリティ・サポート内容の違い
Enterprise Standard にも Vault や DLP 機能が備わっておりコンプライアンスや情報漏洩防止の基本対策は可能です。しかし Enterprise Plus ではこれらがさらに強化され、より高度な制御やセキュリティ管理が実現します。
◆Vault(データ保持・eDiscovery / 電子情報開示)
Standard:メールやチャットの保持・検索が可能
Plus:より詳細な保持ポリシー設定、スケジュール削除、複数データソースの横断検索に対応
◆DLP(データ損失防止)
Standard:Gmail / Google ドライブで基本的な検出ルール設定が可能
Plus:リアルタイム検出、ポリシーの階層管理、カスタム条件設定などの高度制御に対応
◆暗号化・監査機能
Standard:標準的な通信暗号化(TLS)
Plus:S/MIME 暗号化やクライアント側暗号化を利用可能、より詳細な監査ログ分析にも対応
◆サポート体制
Standard / Plus エディションでは Google のエンタープライズ専用サポートチームによる迅速な技術支援を受けられる
これにより Enterprise Plus は「大規模組織に必要なセキュリティ・統制・可視化」を実現できる構成となっています。
メール・Meet の制限や管理機能の比較
業務の中心となるメールと Google Meet の機能にもエディションごとの明確な差があります。
◆Gmail(メール)
Standard:S/MIME 非対応、メール保持ポリシーは限定的
Plus:S/MIME 暗号化・メール送信制限設定・Vault統合による高度な保持が可能
◆Google Meet(会議)
Standard:最大250人までの参加、録画機能に制限あり
Plus:最大500人の会議に対応、録画・自動字幕・ノイズ除去・リアルタイム翻訳が利用可能
◆管理コンソール / 監査ログ
Standard:ユーザー管理・監査ログ閲覧が可能
Plus:脅威分析ダッシュボード、イベント検知自動化、セキュリティセンター統合
このように Enterprise Plus は「より高度な会議体制」「より深い可視化・自動化」を求める組織に適しています。
将来的なスケーラビリティと拡張性を比較
スケーラビリティとはシステムや運用規模の変化に柔軟に対応できる能力のことです。
Enterprise Plus は、組織拡大やグローバル展開を見据えた柔軟な拡張性を持っています。

このように比較すると、Enterprise Standard は「現状の業務規模に合わせた安定運用」に適しており、 Enterprise Plus は「組織拡大・グローバル展開を前提とした持続的な拡張」に強みを持つエディションです。
結果として Enterprise Plus は単なる上位プランではなく、「長期的な IT 基盤としての持続性と拡張性」を備えたエディションと言えるでしょう。
この比較から Enterprise Standard は「中規模企業に必要十分な機能」を提供し、Enterprise Plus は「法規制やグローバル対応、AI 活用を視野に入れた大企業向け」のエディションと位置づけられます。
5. Enterprise Plus における Gemini の活用と効果

Enterprise Plus の大きな差別化要素は AI「Gemini」をフル活用できる点です。従来人手に頼っていた業務を自動化し、社員の生産性を飛躍的に高めます。
Gemini の導入で業務自動化が加速
Gemini は Google Workspace の各アプリに標準で組み込まれており、特別な設定や外部連携を行わなくても利用できます。従来の「ツールの利用効率化」を超えて組織全体の業務プロセスを自動化・最適化する役割を担います。
◆ドキュメント作成の効率化
Gemini は Google ドキュメント上で要点の抽出・構成案の生成・文章の自動整形までを支援します。提案書や議事録の下書きを瞬時に作成できます。
◆情報検索と要約の自動化
社内ドライブやGmail内の情報を横断検索し AI が要点をまとめて提示します。必要な情報へ即アクセスできるため、調査や報告業務の時間を大幅に短縮します。
◆ワークフローの効率化
Google Chat やスプレッドシートと連携し定型作業(報告書生成・進捗更新・会議記録など)を自動化します。IT部門の事務的負担を軽減します。
このように Gemini の導入は、「人が操作するツール」から「 AI が支援する業務環境」への転換を加速させます。
日常業務における Gemini の具体的ユースケース
AI は一部の専門職だけでなく日常業務のあらゆる場面で役立ちます。特に Enterprise Plus 環境では Google の各アプリケーションに Gemini が深く統合されており、シームレスな業務支援が可能です。
◆メール対応の自動化( Gmail )
・AI が受信メールの内容を分析し、返信案や要約を自動生成
・優先度や緊急度の判定も自動化し、返信漏れを防止
◆会議業務の効率化( Google Meet )
・会議中の内容を自動で文字起こし・要約
・決定事項や ToDo を抽出し、Google ドキュメントや Chat に自動連携
◆データ分析支援(スプレッドシート)
・膨大なデータの中から傾向や異常値を AI が検出
・分析結果を自然言語で説明し、レポート作成を自動化
◆文書管理・情報共有( Google ドライブ)
・ファイル内容を理解した AI 検索により、目的の情報へ瞬時にアクセス
・重複ファイルの検知や整理提案など、データガバナンスにも貢献
これらのユースケースにより日常業務の「作業時間短縮」と「判断精度の向上」を両立できます。
エンタープライズ環境での AI 活用の最前線
Enterprise Plus では Gemini の AI 機能をセキュリティや統制の観点から安心して利用できるよう、管理機能も強化されています。企業全体で安全かつ効果的に AI を導入できる点が他のエディションとの大きな違いです。
◆データセキュリティとガバナンス
Gemini が処理するデータは組織内に留まり、学習データとして外部に共有されません。管理者は AI 利用範囲をポリシーで制御できます。
◆AI ポリシー・アクセス制御
組織単位・部門単位で Gemini 機能の有効 / 無効を設定可能です。機密情報を扱う部門と一般部門で利用レベルを分けられます。
◆AI によるセキュリティ活用
Google Workspace セキュリティセンターと連携し AI が脅威パターンを分析・検知します。人手では見落としがちな不正アクセスや挙動を自動的に警告します。
AI の導入を単なる業務効率化に留めず、経営判断・情報統制・セキュリティ強化に結びつけるのが Enterprise Plus の真価といえるでしょう。
6. Enterprise Plus の導入方法と活用ステップ

導入をスムーズに進めるには明確なステップと社員教育が欠かせません。
導入までの流れ(申し込みから利用開始まで)
Enterprise Plus は導入には計画的なプロセスが求められます。
1.要件定義
・現行システム(メール、ストレージ、認証基盤)の整理
・セキュリティ要件や法令遵守の確認
2.契約・環境構築※
・Google Workspace Enterprise Plus の契約
・管理コンソールで組織構造・ユーザーを設定
3.データ移行(必要に応じて)
・既存メールサーバから Gmail へ移行
・ファイルサーバや既存クラウドから Google ドライブへデータ移行
4.セキュリティ設定
・SSO(シングルサインオン)や多要素認証の導入
・DLP(データ損失防止)ルールや Vault 保持ポリシーを設定
5.テスト運用・全社展開
・部署ごとにパイロット導入を実施
・検証後、全社的に展開
上記のようなデータ移行や高度なセキュリティ設定は、Google Cloud パートナーであるフライトソリューションズにお任せください。お客様の環境に合わせたスムーズな導入をご支援しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
※バナー設置
※No. 2のご契約についての詳細は Google 社またはリセラー様とご相談ください。
社内展開のポイント(教育・運用ルール策定)
Enterprise Plus の強みを最大限活かすには、社員教育とガバナンス設計 が欠かせません。
◆社員教育
・Gmail、Google ドライブ、Google Meet などの基本操作研修
・Gemini を使った文書作成・データ分析トレーニング
◆運用ルール策定
・データ共有のルール(個人ドライブと共有ドライブの使い分け)
・機密情報の外部共有制限ポリシー
・AI 活用ガイドライン(入力してよい情報/避けるべき情報)
◆定期的なレビュー
・管理者がレポート機能で利用状況を監査
・不要な権限や容量の見直しを実施
弊社では Google Workspace の利活用や教育、運用ルールの制定・見直しにあたり「自分たちだけだと不安…」というお声をいただくケースもございます。そういった場合、弊社での他社ナレッジなども生かしたご支援が可能です。
活用シーン別のおすすめ利用方法
Enterprise Plus は単なる業務効率化だけでなく、全社横断的な業務変革に役立ちます。
・経営企画部門:Gemini を活用した会議資料や経営報告書の自動生成
・営業部門:顧客への提案資料をスライドで AI 生成し、スピード強化
・人事部門:Gmail テンプレートと Gemini で通知業務を自動化
・管理部門:Vault と DLP で監査・コンプライアンスを強化
・IT部門:アクセス制御や監査ログを活用し、セキュリティ統制を効率化
・段階的に展開することで、全社に無理なく定着させられます。
7. まとめ
ここまで、Enterprise Plus の特徴と導入メリットを解説しました。
・高度なセキュリティ機能で情報漏洩を防止
・端末管理や大容量ストレージで効率化を推進
・Enterprise Standard との差は、長期的な拡張性とセキュリティ機能
・Gemini によるAI活用が業務効率を革新
・導入は計画的に進め、教育と運用ルールで定着させる
Google Workspace Enterprise Plus は、大企業のIT部門にとって「安心」「効率」「拡張性」を備えた最適な選択肢です。
株式会社フライトソリューションズではお客様の要望に合わせて、迅速かつ丁寧なグループウェアの導入支援サービスを提供しています。導入を検討している方は、ぜひ弊社にお任せください。