Google Workspace Enterprise Standardの料金・容量・Gemini機能を徹底解説

- #Google Workspace(旧G Suite)
大企業のIT部門ではグループウェアの選定や社員教育において「コスト」「容量」「AI活用」が重要な判断基準になります。
Google Workspace Enterprise Standard は潤沢なストレージ、先進的なGemini機能を備え、企業の業務効率とセキュリティを両立できる最適な選択肢です。
Google Workspace 導入を検討している方は、ぜひ参考にして下さい。
株式会社フライトソリューションズではお客様の要望に合わせて、迅速かつ丁寧なグループウェアの導入支援サービスを提供しています。導入を検討している方は、ぜひ弊社にお任せ下さい。
1. Google Workspace Enterprise Standard とは?基本情報と対象企業
まずは Enterprise Standard がどのような位置付けにあるのか、他プランとの違いや対象企業を整理しましょう。
Google Workspace のエンタープライズ向けプランとは
- ・大企業を対象にしたセキュリティ・ガバナンス重視のプラン
- ・メール、ドライブ、カレンダー、Meet などを統合的に提供
- ・コンプライアンスや監査に対応できる高度な制御機能を搭載
Enterprise Standard の位置付けと対象規模
- ・数百〜数万ユーザーの大規模利用を想定
- ・金融・製造・公共系など厳格なセキュリティ要件のある組織に最適
他の Google Workspace プランとの主な違い
- ・Business Plus 以上のセキュリティ・監査機能
- ・制限の少ないストレージ提供
- ・Gemini を含むAI機能の幅広い利用
※ Business エディションでも Gemini の利用は可能ですが、一部制限される Business エディションに比べ、Enterprise エディションでは Gemini のフル機能が利用可能です
実際 Enterprise Standard は300ID以上の企業にて契約するプランになっています。
Enterprise Standard は、単なるグループウェアではなく、大規模組織のセキュリティ・効率化を両立させる基盤といえます。
2. Google Workspace Enterprise Standard の料金体系を詳しく解説
次に多くのIT部門が最も気になる「料金体系」について詳しく見ていきます。
Google Workspace Enterprise Standard 料金の基本構成
課金体系
- ・ユーザー単位の月額課金制
- ・必要ユーザー数に応じて総額が変動
- ・契約条件によって割引適用あり(年間契約も選択可、長期利用を前提とする企業ではコスト削減につながる)
料金の目安
下記は月額料金の目安です。
- ・Enterprise Standard :3,060円 / ID
- ・Enterprise Plus :3,980円 / ID
※上記の価格は2025年9月時点での参考金額となります
※詳細や最新情報は Google 社やリセラーにお問い合わせください
価格はどう決まる?ユーザー数・契約年数による違い
- ・ユーザー数が多いほどボリュームディスカウントを適用
- ・年間契約を選ぶことで月額換算よりコストを抑えられる
他プランとの価格差を踏まえたコスト最適化の考え方
- Business Plus より高価格だが、その分セキュリティ・容量・Gemini 機能が拡充
- 外部セキュリティ製品やAIサービスを削減できるため、総合的にはコストパフォーマンスが高い
Enterprise Standard の料金は一見高めに見えますが、長期的な投資対効果(ROI)を考えると十分に最適化された選択肢とも言えます。
3. ストレージ容量はどれくらい?大容量活用のポイント
大企業にとって「容量不足」は業務停滞につながる深刻な課題です。Enterprise Standard が提供するストレージについて確認しましょう。
Google Workspace Enterprise Standard 容量は実質無制限?
- ・公式には「ユーザー数×5TB以上のプールストレージ」
- ・実際にはほぼ無制限に近い利用が可能
補足:プールストレージとは?
Google Workspace Enterprise Standard ではユーザーごとに固定の容量を持つのではなく、組織全体のユーザー数に応じてストレージが「プール」され、全社で共有して利用できます。例えば 1,000 ユーザー契約で「ユーザーあたり 5TB」が付与される場合、全体で 5,000TB をまとめて使える計算になります。
これにより容量を多く使う部署とそうでない部署の間で柔軟に割り振りができ、無駄なく効率的に活用できます。
共有ドライブ・マイドライブの運用ルール
- ・マイドライブ:一時的な作業ファイルや下書き用途に限定し、機密情報の保管は避ける
- ・共有ドライブ:機密情報や業務データは原則こちらに格納し、部門ごとのアクセス権限を明確に設定することで、退職・異動時にも情報を継続利用可能にする
容量管理で注意すべきセキュリティとガバナンス
- ・管理コンソールでの定期的な確認を含むストレージ監査の運用が重要
- ・Google Vault の保持ルールを活用して、一定期間後に自動削除されるよう設定
- ・管理コンソールの共有制御やコンテキストアウェアアクセスを活用して、権限を最小化する
大容量活用のポイント
- ・プールストレージの考え方を理解する
- ・共有ドライブを積極活用し、マイドライブへの過剰保存を防ぐ
- ・保持ポリシーや削除ルールを設定し、不要データの肥大化を回避
- ・レポート監査を定期的に行い、使用容量と権限を見直す
Enterprise Standard の容量は「十分すぎる」だけでなく、ガバナンス強化を実現できる点が大きな強みです。
4. Gmail を中心に見る主要機能とその活用方法
Enterprise Standard の Gmail は通常のメールサービスを超えて大企業向けの高度なセキュリティとコンプライアンス対応を提供します。ここではその強みを整理します。
Google Workspace Enterprise Standard の Gmail の特徴とは
- ・TLS に加え S/MIME による暗号化 が利用可能
- ・送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC) を管理者が強制適用可能
- ・管理コンソールで外部転送を制御しログ監査で不審な送信をチェックすることにより、不正なデータ流出を防止
Gmail+Vault などセキュリティ機能の連携
- ・Google Vault:メールやチャット履歴を保持・監査し、訴訟や内部統制に対応
- ・データ損失防止(DLP):マイナンバーやクレジットカード番号などを含むメール送信を自動ブロック
- ・ログ監査:ユーザーの送信・転送履歴を管理者が確認し、不審な操作を検出
業務効率とセキュリティを両立する活用術
- ・フィルタ+ DLP ルールの組み合わせでリスクのある送信を未然に防止
- ・Vault の保持ポリシーで不要なデータを自動的に削除し監査負担を軽減
- ・S/MIME の利用で機密情報を含むメールを安全にやり取り
Enterprise Standard の Gmail はセキュリティ・コンプライアンス・効率性を兼ね備えた「大企業向けメール基盤」として活用できます。
5. Gemini 対応で変わる業務効率と AI 活用の未来像
近年生成 AI は業務効率化の中心的なテーマとなっています。Google Workspace Enterprise Standard では Gemini for Google Workspace のフル機能が利用可能であり、文章作成からデータ分析まで幅広い業務をサポートします。ここではその具体的な提供範囲と活用方法、導入に向けた準備について詳しく解説します。
Google Workspace Enterprise Standard 上での Gemini の提供範囲
Enterprise Standard では Gemini for Google Workspace が標準で利用可能です。Gemini の提供範囲はBusiness プランでは一部がオプションとなりますが、Enterprise エディションでは制限なく幅広く利用できる点が大きな特徴です。
- ・Google ドキュメント:文章の下書きや要約、文体改善の提案をAIが自動生成
- ・Google スプレッドシート:自然言語によるデータ分析や複雑な関数生成をサポート
- ・Google スライド:スライド資料を自動で構成し、デザイン提案も実施
- ・Gmail:受信メールの要約、返信文の自動生成、トーン調整
- ・Google Meet:会議のリアルタイム要約やアクションアイテム抽出
このように Enterprise Standard を導入することで、日常業務の主要ツールすべてに Gemini を活用できる環境が整います。
Gemini でできること:ドキュメント生成、Gmail補助など
Gemini が実現するのは単なる文章生成だけではありません。
- ・ドキュメント生成:会議の議事録や契約書のドラフトを瞬時に作成
- ・メール支援:長文メールの要約や返信下書きを自動生成し、担当者は内容確認と微修正だけで送信可能
- ・データ分析:膨大なスプレッドシートの情報を「売上の推移をグラフ化して」など自然言語で指示可能
- ・企画支援:スライドでの新規プレゼン資料の骨子作成、デザイン候補の自動提示
これらを活用することにより社員は「ゼロから考える負担」を軽減し、付加価値の高い業務に集中できるようになります。
AI 導入に向けたセキュリティ・社内教育の準備とは
Gemini を活用するにあたり企業はセキュリティと社員教育の両面で準備が必要です。
- ・セキュリティガイドラインの策定
・社内データをAIに入力する際のルールを明文化
・機密情報の扱いに関するポリシーを徹底 - ・アクセス権限の管理
・部署や職種ごとに利用範囲を制限
・管理コンソールで利用状況を定期的に確認 - ・社員教育の実施
・Gemini の具体的な使い方を研修で共有
・効率化だけでなく「AIに依存しすぎない活用法」を啓蒙
Enterprise Standard に含まれる Gemini のフル機能は、単なる作業効率化にとどまらず、企業全体の働き方改革を後押しする革新的な基盤です。正しいセキュリティ運用と社員教育を組み合わせることで、安全かつ効果的に AI を活用できる未来が広がります。
6. Enterprise Standard を活用する方法と導入ステップ
Enterprise Standard を導入する場合単なるツールの追加ではなく、全社的なメール・ストレージ・AI基盤の刷新を視野に入れることが一般的です。ただし段階的な導入や部門単位での先行利用から始めるケースもあります。ここでは導入までの流れ、展開時のポイント、そして活用シーンを整理します。
導入までの流れ(申し込みから利用開始まで)
Enterprise Standard は導入には計画的なプロセスが求められます。
- 1.要件定義
・現行システム(メール、ストレージ、認証基盤)の整理
・セキュリティ要件や法令遵守の確認
2.契約・環境構築
・Google Workspace Enterprise Standard の契約
・管理コンソールで組織構造・ユーザーを設定
3.データ移行(必要に応じて)
・既存メールサーバから Gmail へ移行
・ファイルサーバや既存クラウドから Google ドライブへデータ移行
4.セキュリティ設定
・SSO(シングルサインオン)や多要素認証の導入
・DLP(データ損失防止)ルールや Vault 保持ポリシーを設定
5.テスト運用・全社展開
・部署ごとにパイロット導入を実施
・検証後、全社的に展開
No. 2のご契約についての詳細はGoogle社またはリセラー様とご相談ください。
社内展開のポイント(教育・運用ルール策定)
Enterprise Standard の強みを最大限活かすには、社員教育とガバナンス設計 が欠かせません。
- ・社員教育
・Gmail、Google ドライブ、Google Meet などの基本操作研修
・Gemini を使った文書作成・データ分析トレーニング - ・運用ルール策定
・データ共有のルール(個人ドライブと共有ドライブの使い分け)
・機密情報の外部共有制限ポリシー
・AI 活用ガイドライン(入力してよい情報/避けるべき情報) - ・定期的なレビュー
・管理者がレポート機能で利用状況を監査
・不要な権限や容量の見直しを実施
弊社では Google Workspace の利活用や教育、運用ルールの制定・見直しにあたり「自分たちだけだと不安…」というお声をいただくケースもございます。そういった場合、弊社での他社ナレッジなども生かしたご支援が可能です。
活用シーン別のおすすめ利用方法
Enterprise Standard は単なる業務効率化だけでなく、全社横断的な業務変革に役立ちます。
- ・経営企画部門:Gemini を活用した会議資料や経営報告書の自動生成
- ・営業部門:顧客への提案資料をスライドで AI 生成し、スピード強化
- ・人事部門:Gmail テンプレートと Gemini で通知業務を自動化
- ・管理部門:Vault と DLP で監査・コンプライアンスを強化
- ・IT部門:アクセス制御や監査ログを活用し、セキュリティ統制を効率化
Enterprise Standard の導入は「メールやドライブの置き換え」ではなく、全社的な業務基盤の刷新プロジェクトです。導入時にセキュリティと教育をしっかり設計すれば、業務効率化とガバナンス強化を両立でき、将来のAI活用にもスムーズに移行できます。
7. まとめ
Google Workspace Enterprise Standard は以下を兼ね備えた大企業向けプランです。
- ・高度なセキュリティ
- ・潤沢な容量
- ・Gemini による AI 機能
料金面では他プランより高額ですが、長期的な業務効率化・コスト削減につながる投資といえるでしょう。
株式会社フライトソリューションズではお客様の要望に合わせて、迅速かつ丁寧なグループウェアの導入支援サービスを提供しています。導入を検討している方は、ぜひ弊社にお任せ下さい。