Google Workspace Business Plusとは?料金・機能・他プランとの違いを徹底解説

- #Google Workspace(旧G Suite)
働き方改革やリモートワークの普及により、多くの企業がクラウド型グループウェアの導入を検討しています。中でも Google Workspace Business Plus はコストを抑えながら高度なセキュリティやコンプライアンス機能を備えたプランとして注目を集めています。本記事では機能、導入メリット、他プランとの違い、料金や解約時の注意点まで、導入前に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
Google Workspace Business Plus を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社フライトソリューションズではお客様の要望に合わせて、迅速かつ丁寧なグループウェアの導入支援サービスを提供しています。導入を検討している方は、ぜひ弊社にお任せください。
1. Google Workspace Business Plus とは?
Google Workspace Business Plus は Google が提供するクラウドサービスの中でも、特にセキュリティと管理性を強化した中堅企業向けのプランです。メール(Gmail)、ストレージ(Google ドライブ)、ビデオ会議(Google Meet)といった基本ツールはもちろん、監査・情報保持・端末管理などの高度な管理機能が標準搭載されています。
中小企業に向けた「Business Starter」や「Business Standard」と比較すると Business Plus はコンプライアンスや内部統制が求められる業種や、セキュリティをさらに強化したい300人以下の組織に向けて設計されており、企業成長における“第2ステージ”に適したプランといえます。
Business Plus の料金・ストレージ容量の比較
※価格は変更される可能性があります。最新情報はGoogle公式または販売パートナーにてご確認ください。
Business Plus は「セキュリティとガバナンスを拡張したい中堅企業」にとって最もバランスの良い選択肢です。Enterprise Standard はさらに複雑な制御を要する大企業・上場企業などに適しています。
次章以降で各プランとの比較も交えながら機能詳細を紹介いたします。
2. Business Plus の主な機能と特徴を徹底解説
Google Workspace Business Plus プランでは Google Workspace Business Standard プランの基本機能に加え、セキュリティ・デバイス管理・ストレージ容量・業務改善支援ツールなどが大幅に強化されています。この章では各機能の詳細と、現場での活用イメージを交えて徹底解説します。
増強されたセキュリティ・デバイス管理機能
Google Workspace Business Plus プランは「ゼロトラストセキュリティ」を実践したい中堅企業にとって、非常に強力な機能群を備えています。特に管理者向け機能が豊富で、社内外の情報漏洩リスクを最小化できます。
主な強化ポイント:
◆高度なエンドポイント管理機能
企業が保有する PC やスマートフォンなどのデバイスに対し、以下の設定を実施可能:
・端末の強制パスコード設定
・社用端末以外からのアクセス制限(条件付きアクセス)
・紛失時の遠隔ワイプ(データ消去)
・デバイスのコンプライアンス違反検知とアラート通知
◆2段階認証の必須化・ログイン制御
管理者が組織単位・グループ単位で2段階認証の利用を強制するポリシーを設定できるため、ユーザー側での2段階認証の設定漏れやセキュリティリテラシーの差をシステム側でカバーすることが可能。
例えばユーザーが誤ってフィッシングメールでパスワードを入力してしまったというような状況でも、2段階認証を設定しておくとログインには2段階目の認証が必要となります。そのためパスワードが漏洩したとしてもアカウントに侵入・社内情報にアクセスされないようなログイン制御が可能となります。
◆S/MIME による Gmail 暗号化
S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)※ を使って、メール本文と添付ファイルを暗号化。
※S/MIME・・フィッシング詐欺対策として広く導入されている電子メールのセキュリティ技術
◆アクティビティログ/監査ログ取得
ユーザーの操作履歴、ファイルアクセスログ、設定変更履歴などを管理コンソールで可視化・エクスポート可能。
内部不正や情報流出の早期発見・証跡確保に活用可。
1 ユーザー 5TB のクラウドストレージ活用法
Google Workspace Business Plus は、1ユーザーあたり最大 5 TB の Google ドライブ容量が提供されます。これは Business Standard(2TB)よりも大幅に増量されており、データ量が多い部門でも安心して利用できます。
Google Vault や AppSheet の業務効率化への効果
Google Workspace Business Plus プランに含まれる「Google Vault」と「AppSheet」は、IT 部門だけでなく総務・法務・現場部門の業務効率化にも貢献する機能・ツールです。
◆Google Vault(情報ガバナンス・監査支援)
Google Vault は以下のような用途に活用されています:
・メール・ドライブ・Chatの保持ポリシー設定
「特定の部署のメールを7年間保存」などのルールを GUI で設定
・証拠保全対応
労務問題・訴訟リスク対応で、該当データを一括検索・書き出し
・離職者のデータ保持と確認
アカウント削除後もGoogle Vault でデータ保持し、後日確認可能
法務やコンプライアンス部門の工数を大幅に削減し、ガバナンス体制の強化につながります。
◆AppSheet(ノーコード業務アプリ構築ツール)
AppSheetは Google スプレッドシートや Google フォームのデータをもとに、業務アプリを作成できるノーコードツールです。
・現場主体の業務改善が可能
点検記録アプリ、備品管理、日報提出、タスク一覧などを部門内で作成
・スマホ対応アプリを即時作成
フィールドワーク中心の部門(製造・建設・小売)にも最適
Business Plus ではこの AppSheet の基本機能が利用可能で、IT 担当が介在せずに現場で改善アプリを内製化できる点が、DX推進の後押しになります。
3. 【プラン比較】Business Standard との違いを解説
「Business Plus」と「Business Standard」は、いずれも 300 ユーザー以下の中小〜中堅企業を想定していますが、その目的と機能には明確な違いがあります。
機能面・管理性・セキュリティの違い
Business Standard は「業務に必要な基本機能が揃ったバランス型プラン」、一方で Business Plus は「ガバナンス強化・監査対応まで視野に入れた高度な業務基盤」と言えます。
中堅企業が重視すべき比較ポイント
1. 社内外のデータ保全・監査体制が必要か?
・Business Standard ではログ保存・証拠保全機能が利用できないため、労務・法務・業界規制への対応が求められる企業には不十分な可能性があります。
・Business Plus なら Google Vault により訴訟ホールドやメール保管ルールの策定が可能となります。
Business Plues であれば以下のような課題・対応が可能となります。
・パワハラの通報について当該上司の Google Chat 履歴・メール送信履歴を遡って確認。証拠メールを PDF 形式で書き出して法務に提出。
・自社商標に関する代理店とのトラブル発生。過去のやり取りメール・ドライブ内容を保全し、Vault による削除防止設定と書き出しにより、弁護士との連携もスムーズに。
・J-SOX 監査(内部統制の監査)に対応するため財務・法務部門の Google Workspace 上のやり取りをすべて Vault で7年間保持設定。必要に応じてレポートを CSV 形式で監査法人に提出。
2. テレワーク環境での端末管理が必要か?
・Business Standard の端末管理はあくまで「推奨レベル」での制御。ユーザー任せの設定が多く、セキュリティ上のリスクが残ります。
・Business Plus では端末ごとにアクセス制御・パスコード設定・リモートワイプが強制適用可能。情報流出の防止策として有効です。
中堅企業にとって情報漏洩や内部統制違反は深刻なリスクです。Business Standard は日常業務に必要な機能が網羅されていますが、“成長段階にある企業の次の一手”としてはBusiness Plusがふさわしいと言えるでしょう。
4. 【プラン比較】Enterprise Standard との違いを解説
Google Workspace の中でもより大規模な組織向けに提供されているのが「Enterprise」エディションです。中でも「Enterprise Standard」は、Business Plus よりも一段階上の機能を備えており、ユーザー数の制限がなく、セキュリティやデータ保護機能がさらに強化されています。
一方で Business Plus は「機能の豊富さ」と「導入のしやすさ」を両立した中堅企業向けの最適解です。この章では両プランの違いを機能・管理性・導入コストなどの観点から詳しく比較し、中堅企業にとっての判断材料を明確にします。
機能面・管理性・セキュリティの違い
中堅企業が重視すべき比較ポイント
1. ユーザー数が300名を超えるか?
Business Plus は「300名までの組織」を想定しているため、それ以上のユーザー数が必要な場合はEnterprise への移行が必要です。ただし 300 名未満であれば Business Plus で十分な管理機能とセキュリティ水準が得られます。
2. DLP やコンテキストアウェア アクセスが本当に必要か?
Enterprise Standard は、「DLP」「コンテキストアウェア アクセス」などの高度なセキュリティ設計が可能です。しかしこれらを活用・運用するには以下のような条件が求められます。
・専任のセキュリティ担当者がいる
・社内にセキュリティポリシーを設計できる人材がいる
・管理コンソールの高度な設定・検証に時間をかけられる
そのためまだ体制が整っていない中堅企業の場合には、Business Plus の方が現実的です。
3. 導入・運用コストに見合うか?
Enterprise は「要問い合わせ」の価格設定で、Business Plus よりも月額単価が高くなるケースが一般的です。
「全社で Cloud Search が必要」「DLP でファイルごとの制限を徹底したい」など明確な要件がない場合、Business Plus の方がコストパフォーマンスに優れています。
5. Business Plus 導入による社内運用改善例
Google Workspace Business Plus を導入する場合は一般的に以下のような社内運用の改善が期待されます。
管理部門の業務効率が向上した導入事例
・IT 部門:Google Vault による法務問い合わせ対応の迅速化
・総務部門:AppSheet による備品管理やフロア案内アプリの内製化
・経理部門:監査証跡の取得が容易に
ゼロトラスト対応強化で安心のセキュリティ
・リモート勤務中の社員の端末制御
・万が一の紛失時も遠隔ワイプで情報漏洩リスクを最小化
・社外とのファイル共有も管理コンソールで一元制御
リモートワーク環境での実践的な活用シーン
・Google Meet の録画・出席レポートで会議記録の可視化
・ドライブ上の共有フォルダを組織単位で整理
・シフト制チームのスケジュールをカレンダーで統合管理
これらのように日々の業務を遂行する現場・業務を支える管理部門まで、組織全体に導入効果が期待できます。特に中堅企業にとっては限られた人員でも高度なセキュリティと業務効率を両立でき、ガバナンス強化と全社的な運用力の底上げを同時に実現することが可能となるでしょう。
6. まとめ
Google Workspace Business Plus は「セキュリティ・業務効率・コストのバランスがとれた“中堅企業のためのプラン”」です。特に「Business Standard では不安だけど、Enterprise は過剰かも」と感じている企業にとっては、最適な選択肢となります。
今後のDX推進、働き方改革、情報ガバナンス強化の土台として、Google Workspace Business Plus の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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