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Google Workspace 比較 Business Starter・ Standard・Plusの違いと選び方

Google Workspace 比較 Business Starter・ Standard・Plusの違いと選び方
ナレッジ
  • #Google Workspace(旧G Suite)

ビジネスにおけるクラウドサービスの利用が当たり前となった現在、Google Workspace はその利便性と柔軟性から多くの企業に選ばれています。しかし導入を検討する際に最も悩ましいのが、「どのプランを選べばよいのか」という点です。特に Business Starter・Standard・Plus の3つのエディションは、それぞれ特長が異なるため、自社の利用シーンに合った選定が求められます。

本記事では Google Workspace Business エディションの各プランについて、料金や機能、活用シーンなどを徹底比較し、最適なプラン選びをサポートします。

株式会社フライトソリューションズではお客様の要望に合わせて、迅速かつ丁寧なグループウェアの導入支援サービスを提供しています。導入を検討している方は、ぜひ弊社にお任せください。

1. Google Workspace の料金プラン比較!Business エディションの全体像を確認しよう


まずは Google Workspace における料金体系と、それぞれのエディションの位置づけについて解説します。

Google Workspace の料金体系と提供エディション

Google Workspace には複数のエディションがありますが、企業向けに最も多く利用されているのは「Business エディション」と「Enterprise エディション」の2種類です。

Business エディションは中小企業を中心とした300ユーザー以下の組織向けに設計されており、Starter・Standard・Plus の3つのプランから選択できます。一方 Enterprise エディションはより高度なセキュリティ管理や無制限のストレージなどを必要とする大規模組織向けに提供されています。

それぞれ月額料金やストレージ容量、機能範囲に違いがあり、企業の規模や運用スタイルに応じて選択が可能です。

Business エディションの位置づけ(Starter / Standard / Plus)

Business エディションは主に中小企業やスタートアップ向けのラインです。以下のように利用ニーズに応じて段階的に機能が強化されていきます。

◆ Starter:基本的な業務機能を低コストで提供。小規模チーム向け
Standard:中規模以上のチームでの共同作業やセキュリティ管理が必要な企業に適合
◆ Plus:より高度なデータ保持、セキュリティ、監査ログ機能などが必要な企業に最適

 

Enterprise エディションとの違い

Enterprise エディションはより大規模な企業や高度な IT 管理が求められる組織向けのプランです。Business Plus でも不十分と感じる場合は、Enterprise Standard や Enterprise Plus の導入を検討すべきでしょう。

以下が Enterprise エディションでしか利用できない機能の一例です。

DLP(データ損失防止)機能の詳細設定:Drive や Gmail に対するポリシーのカスタマイズが可能
S/MIME によるメールの暗号化と証明書ベースのセキュリティ:より高度なメールの暗号化や署名が行えるため、法務や医療など高いセキュリティ要件がある業界にも適合
AppSheet Core の利用:ノーコードで社内アプリを開発できる AppSheet の高度な機能(他のクラウドサービスとの連携やオンプレミスデータへの接続等)
ドメイン全体の Gmail ログ検索(Gmailログ検索ツール):監査やトラブル対応の際、管理者が強力な検索機能を用いて組織全体のメールログを確認可能
従業員の行動インサイト分析(Work Insights):組織内のツール利用状況やコラボレーション傾向を可視化することで、業務改善に役立てることが可能

これらのような機能が必要な場合は Enterprise エディションの利用を検討するとよいでしょう。特に情報セキュリティやコンプライアンスが重要な企業では、Business エディションではカバーしきれないケースも少なくありません。

2. 【比較表あり】Business Starter・Standard・Plus の機能と料金を徹底比較

次に各プランの月額料金・主な機能・セキュリティ対応などを比較していきます。

月額料金・ストレージ容量の比較

※詳細な料金プランや見積もりについては、Google Workspace の公式サイトや販売パートナーのウェブサイトで確認するか、直接問い合わせることをご検討ください。

 

■ 月額料金

Google Workspace の Business エディションは、企業の規模や用途に合わせて3つの価格帯が用意されています。月額料金は導入のしやすさや機能の拡張性に大きく影響する要素であり、コストパフォーマンスの観点からも慎重に比較する必要があります。

・Business Starter は月額 ¥800(税込) と、非常にリーズナブルな価格設定です。Gmail、カレンダー、ドライブ、Meet などの基本的な Google アプリがすべて利用可能であり、「まずは Google Workspace を導入してみたい」という企業に最適なエントリープランです。

・Business Standard は月額 ¥1,600(税込)。Starter に比べてストレージ容量やセキュリティ、共有ドライブなどのコラボレーション機能が大幅に強化されており、日常業務においてクラウド活用が重要な役割を果たす中小企業や部署単位の導入に適しています。

・Business Plus は月額 ¥2,500(税込) と最も高額なプランですが、その分セキュリティ機能や監査機能、データ保持などが強化されており、コンプライアンスやデータ保全が求められる企業にとっては必要不可欠な選択肢となります。

このように価格が高くなるにつれて利便性や管理性が高まる構成となっており、単なるコストだけでなく、業務の性質やリスク対策の観点からも総合的に判断することが大切です。

 

■ ストレージ容量

ストレージ容量はクラウド業務の中心であるファイルの保存・共有・バックアップの基盤となる重要な要素です。特に近年は、業務資料のデジタル化、画像・動画などの大容量ファイル共有が増えており、ストレージ不足が業務効率を阻害する原因にもなり得ます。

Business Starter では 1ユーザーあたり 30GB のストレージが提供されます。日常的なメールやドキュメントの保存には十分対応できますが、共有ファイルやバックアップ用途にはやや心許ないため、ファイルの扱いが軽い業務内容のチームや、個人利用中心の企業向けです。

Business Standard にアップグレードすると、1ユーザーあたり 2TB のクラウドストレージが提供されます。ドライブを所有している組織全体でアップロードができる容量の上限が決まる「プール」という方式が採用されており、個々のユーザによってアップロードする容量に偏りがある組織等で特に歓迎される機能と言えます。動画や大容量資料の保存、チームでの共同編集など、本格的に Google ドライブ を活用したい企業にとって最もバランスが良いプランです。

Business Plus は 1ユーザーあたり 5TB のストレージを提供しています。また Business Standard 同様ユーザーが増えるほど全体の総容量も拡大される仕組みとなっているため、Business Standard では容量不足の懸念がある場合にはこちらのプランがおすすめです。

このようにストレージ容量の違いは業務のスタイルに直結します。将来的なデータ増加も見越したプラン選定が、運用の安定性と効率性を支えるカギとなります。

Google Meet・Gmail・Google ドライブの違い

 

■ Google Meet

Google Workspace に標準搭載されているビデオ会議ツール「Google Meet」は、プランごとに参加人数や利用可能な機能に違いがあります。

Business Starter プランでは Google Meet によるオンライン会議に 最大100人まで参加可能です。ただし、会議の録画機能は利用できません。そのため、会議内容を後から見返したい場合や、欠席者への共有が必要な組織にはやや物足りない仕様といえます。

Business Standard にアップグレードすると、会議の記録やナレッジの蓄積に適した機能が追加されます。具体的には会議に最大150人までの参加が可能となり、録画機能も使用できるようになります。この録画データは Google ドライブ上に保存され、必要に応じて社内共有が可能です。 

さらに Business Plus では最大500人までの会議が開催可能になるうえ、出欠確認機能(出席レポート)が利用可能になります。これは大規模な社内説明会やウェビナー、外部との打ち合わせにおいて出席状況の記録が必要な場面で非常に重宝される機能です。

 

■ Gmail

Google Workspace におけるメール機能「Gmail」も、プランによって利用可能なセキュリティ対策や管理機能に違いがあります。

Business Starter プランでは独自ドメインによるメールアドレスの利用が可能で、Gmail の基本機能は網羅されています。一般的なビジネスメールの送受信には十分ですが、高度なセキュリティ設定やデータ保持機能は含まれていません。

Business Standard においては基本機能に加えてスパムフィルタの強化、マルウェア対策などの高度なメールセキュリティ設定が追加されます。またポリシーを設定することで、不審なメールのフィルタリングや添付ファイル制限なども行えるようになり業務上の安全性が向上します。

Business Plus になると Google Vault と連携することで、Gmail の内容を長期間保持・検索・アーカイブすることが可能になります。これにより、法的な証拠保全や社内コンプライアンス対応、内部監査などにも対応でき、企業のリスクマネジメントに強力な支援を提供します。

 

■ 共有ドライブ

チームでのファイル共有やドキュメント管理を円滑に行う上で欠かせない「共有ドライブ」ですが、その利用可否と管理機能はプランによって異なります。

Business Starter プランでは共有ドライブの作成や管理はできません。ユーザー個人の「マイドライブ」内でのファイル共有は可能ですが、組織全体での一元管理には不向きです。そのため、ドキュメントが個人アカウントに散在しやすくなり、退職や異動時にデータの移行や引き継ぎに手間がかかる恐れがあります。

Business Standard 以上になると共有ドライブの作成・管理が可能になります。これにより、組織や部署単位でのファイルの共同編集やアクセス権限の一元管理が実現し、業務の透明性や引き継ぎ効率が大幅に向上します。

Business Plus においてはデータ保持ポリシーの適用やアクセスログの記録など、より高度な情報管理とコンプライアンス対応が可能になります。データの所有権も常に組織側にあるため、人の出入りに左右されない安定したファイル管理体制が構築できます。

セキュリティ機能・管理者ツールの比較

 

■ セキュリティ機能

Google Workspace の各プランではセキュリティ機能に明確な違いがあります。

Business Starter では Google アカウントに標準搭載されている 2 段階認証や、パスワードの強度ポリシーといった基本的なセキュリティ設定が利用できます。小規模チームにとって最低限必要な保護は担保されますが、管理者による詳細なポリシー設定やモニタリングは制限されます。

一方 Business Standard 以上のプランになると、セキュリティセンターの利用が可能になり、脅威の可視化や潜在的なリスクの早期発見、ユーザー行動の監視といったより高度なセキュリティ対策が導入できます。管理者はダッシュボード上でセキュリティ状況をリアルタイムに確認でき、インシデントへの迅速な対応が可能です。

さらに Business Plus ではデバイス管理機能やデータ保持ルールの設定(Retention)、DLP(Data Loss Prevention:情報漏えい対策)機能が加わり、従業員がどのデバイスからアクセスしているかの把握や、組織ポリシーに違反するファイル共有の防止など、企業全体の情報統制と保護をより強固に構築できます。

 

■ 管理者ツール

管理者ツールの機能の違いは Google Workspace を導入した後の「運用負荷」「情報統制レベル」に直結します。

Business Starter では管理者が利用できるツールは主に ユーザーやグループの作成・削除、サービスのON/OFFといった基本的な管理機能に限定されます。これにより、小規模なチームや管理リソースが限られた組織でも、最低限の統制が可能です。

Business Standard にアップグレードすると、同じ「管理コンソール」でも より詳細なサービス設定やポリシー管理が可能になります。たとえば、共有ドライブの作成ルールや、アプリ連携に関する設定など、組織全体に対する一貫性ある管理が行えるようになります。

そして Business Plus ではさらに一歩進んで、監査ログや Google Vault の機能が加わります。これにより、過去のユーザー操作履歴を追跡したり、メールやドライブ内のデータを保持・検索・法的保全(リティゲーションホールド)することが可能になります。コンプライアンスや監査対応が求められる中堅・大企業にとって、極めて重要な機能です。

 

3. Business Starter・Standard・Plus はどんな企業におすすめ?規模や目的別の選び方

プラン選定の際は会社の規模や利用目的に応じた視点が必要です。ここでは代表的な会社規模・利用目的に分けておすすめのプランを紹介します。

小規模チーム・フリーランスにおすすめのプラン:Business Starter

「Business Starter」がコストを抑えつつ Gmail やカレンダー、Google ドライブを使いたい小規模事業者に最適です。社員数が10名未満で、共同作業よりも個人作業が中心というケースでは十分に活用できます。

ファイル共有や会議重視の企業におすすめのプラン:Business Standard

「Business Standard」を選ぶと共有ドライブの作成が可能になり、ファイル共有やチーム作業が格段にスムーズになります。また Google Meet での録画機能もあるため、会議の記録を残す必要がある企業には適しています。

急成長中や今後の拡張を見据えている企業におすすめのプラン:Business Plus

急成長中の企業や将来的にセキュリティポリシーを強化する必要がある場合は「Business Plus」を選びましょう。デバイス管理機能や監査ログ、Vault など、運用フェーズが進んだ段階での情報管理にも対応できます。

4. プラン変更やアップグレードの手順と注意点

導入後にプランを変更する際は、いくつかの注意点があります。

Starter → Standard / Plus への切り替え方法

管理コンソールにログインし、[課金]→[サブスクリプション]からアップグレードを選択します。変更は即時反映されます。[管理コンソール > 課金] 画面で、「変更の有効日」や「料金発生日」が表示されるので、必ず確認しましょう。

契約変更時の注意点と管理者の操作方法

変更に伴って使用可能なストレージ容量や機能が変化するため、事前にデータのバックアップを取り、社内周知を徹底しておきましょう。また管理者アカウントでの操作が必要なため、担当者の操作権限設定も確認しておきましょう。

ユーザーごとに違うプランを使うことは可能?

1つのドメインに対して複数のプランを同時に適用することは原則できません。組織内で異なるニーズがある場合は、大規模組織向けの Enterprise プランを検討するか、ユーザーごとにドメインを分けて異なるテナントで管理するなどの運用方法が求められます。

 

5. まとめ

Google Workspace の Business Starter・Standard・Plus は、それぞれの企業規模や利用目的に応じて選ぶべきプランが明確に分かれています。コストを抑えたい小規模企業には Starter、共同作業や会議を重視する中規模企業には Standard、セキュリティやデータ管理を重視する企業には Plus が適しています。導入を検討する際は、現在の業務状況に加えて、1~2年後の運用を見据えたプラン選定が鍵となります。

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